書評– category –
-
書評
修羅場の王――原理原則を貫くという覚悟
リンク 本書は、倒産・企業再生の世界において「修羅場」と呼ばれる局面で何が意思決定を分けるのかを描いている。英雄譚ではなく、あくまで原理原則の記録として読める点が、この本の強度だ。 税金を使わない、という原則 倒産法の革命家ともいえる弁護士... -
書評
潤日――中国脱出の行き先としての日本
リンク 本書が描くのは、一過性のブームではなく、構造的に進む「中国脱出」の現在地である。数字を追うだけでも、その動きが個人の気分や流行の域を超えていることがわかる。 加速する富裕層流出 2015年から2019年にかけて、中国から流出した富裕層は約5... -
書評
進化論はいかに進化したか――「進歩」という誤解を取り払うために
リンク 本書は、進化論を「生物はより優れた方向へ進む」という通俗的理解から切り離し、進化生物学が実際に何を扱っている学問なのかを、極めて整理された形で提示している。 最初に強調されるのは、進化とは形質が変化することにすぎず、そこに価値判断... -
書評
なぜマンションは高騰しているのか――価格上昇の背後にある静かな論理
リンク 本書は、マンション価格の高騰を感情やバブル論で片づけるのではなく、富の分布・税制・国際比較という複数の軸から説明しようとする。「なぜ高いのか」ではなく、「なぜ買われ続けているのか」を問う姿勢が一貫している。 富裕層の厚みと格差の同... -
書評
Big Things――ゆっくり考え、素早く動くという逆説
リンク 本書の核心は、直感に反する一文に集約される。「ゆっくり考え、素早く動け」。大型プロジェクトの失敗を分析し尽くした末に導かれたこの結論は、精神論ではなく、統計と認知科学に裏打ちされている。 成功するプロジェクトは0.5% 本書がまず突き... -
書評
生まれが9割の世界をどう生きるか――才能神話を解体した先に残るもの
リンク 本書は、「努力すれば何にでもなれる」という楽観とも、「すべては遺伝で決まる」という諦観とも距離を取り、人間の能力をめぐる現実を、科学的知見に基づいて整理し直そうとする一冊だ。 刺激的なタイトルに反して、語り口は冷静で、読者を極端な... -
書評
サイコロジー・オブ・マネー――成功を決めるのは知識ではなく態度
リンク 本書が繰り返し強調するのは、経済的成功の鍵はハードスキルではなくソフトスキルにある、という点だ。何を知っているかよりも、どう振る舞うか。この単純だが見落とされがちな命題を、数多くの事例とともに提示している。 投資判断は時代に縛られ... -
書評
住宅ローンは「変動」で借りなさい――金利よりも構造を見るための一冊
リンク 本書は、住宅ローンをめぐる議論を感情や不安から切り離し、構造として整理し直そうとする実用書だ。主張は明快で、あいまいな留保を極力排している。その割り切りの良さが、読み手を選ぶ一方で、判断軸を与えてくれる。 四つの主張と前提条件 本書... -
書評
ビジネスエコノミクス――経済学は、現場でこそ意味を持つ
リンク 本書は、「ビジネスに経済学は使えない」という通念に、具体例を積み重ねることで静かに反論する一冊だ。理論を先に置くのではなく、現実の意思決定を経済学の言葉で説明していく構成が、読みやすさと説得力を両立させている。 危機対応としての価... -
書評
ケインズ――資本主義を救うための急進性
リンク 本書は、書かれた年代を考えると驚くほどビビッドなケインズ解説書である。理論の整理に終始するのではなく、ケインズが何を問題視し、何を守ろうとしたのかが、思想として明確に浮かび上がる。 金利生活者への否定という核心 ケインズが金利生活者...